配属されてから数年、神経すり減らした現場が終わろうとしている。
誇張ではなく、この現場のおかげで危うく新卒切符を無駄にするところだった。
比喩ではなく、神経が磨り減った。
耐え難きを耐え、忍び難きを忍んだ。
打合せ前日の夜、普段全然一人酒なぞしない私が三軒ほどハシゴし、店員さんにひかれる程飲んでもちっとも酔わなかったあの日が懐かしい。
リアルに夢で罵声を浴びせられる日が来るとは思わなかった。
何度テーブルひっくり返してやろうかと思ったことか。
そして今日は恐らく最後の打合せ。
人事は尽くした。天命なぞ待つものか。
にっこり笑顔でいざ行かん。